注目の若手ガイド・円城寺健悠さんが語る! 写真でたどる別府の今と昔&アーカイブツアーの魅力
「地図の中に、声が聞こえる瞬間があるんです。」
そう語るのは、別府を拠点に活動する若手ガイド・円城寺健悠さん。
彼が案内するのは、いわゆる観光名所を巡るツアーではありません。
別府に残された地図や写真、そして街角に佇む何気ない路地や建物を手がかりに、別府の“記憶”を辿る旅。それが円城寺さんが得意とする"アーカイブツアー"です。
歴史や文化の資料を使いながら、街の変遷を歩いて感じられるこのユニークなツアーには、どこか懐かしさと新鮮さが混ざり合った不思議な魅力があります。
そんな「アーカイブツアー」の魅力について、今回語ってもらいました!
学問とフィールドがつながる瞬間
円城寺さんがこのツアーを始めたきっかけは、学生時代の学びからでした。
「アーカイブズの専攻だったんです。図書館で文献を読む日々の中で、ふと“現場を見てみたい”と思ったのが最初でした」。
※アーカイブ:個人や組織(地域)が活動する過程で作成した記録の中で、将来にわたって保存する歴史的文化的価値がある記録史料のこと。
そんな中出会ったのが、地元・別府で開催されていた「別府八湯ウォーク」という街歩きイベント。参加したことで、文献に記された“昔の風景”が、現在の町並みとリンクする瞬間に心を打たれたといいます。
「浜脇の古い建物を目の前にして、昔の地図と重ね合わせた時、点と点がつながるような感覚があったんです」
アーカイブツアーってどんなもの?
円城寺さんのツアーは、明礬(みょうばん)・浜脇・松原・朝見といった有名エリアから、一般にはあまり知られていない地域まで、幅広く実施されています。観光地として知られる別府温泉街の裏側には、実はひっそりと受け継がれてきた歴史が数多く残されているのです。
ツアーでは、昔の地図や写真、古地図といった資料を手に、実際の場所を歩きながら巡っていきます。
たとえば、かつて遊郭として栄えていた場所の跡地や、現在は民家となっているかつての旅館跡など、文献の中にしか存在しないと思われていた場所を、現地で確かめながら歩いていきます。
観光マップには載っていない――でも確かに、そこに“あった”。
そんな記憶の断片を訪ね歩くツアーなのですね。
浜脇エリアに流れる、時間のレイヤー
なかでも円城寺さんが特に思い入れをもつのが、浜脇エリア。
戦災を免れたこともあり、昔の街並みが今でも一部残っています。
「再開発の波の中にあっても、残っている石垣、曲がりくねった路地、看板の痕跡……そういうものが、街の記憶を留めているんです」
古地図と今の風景を見比べながら歩く中で、「あっ、ここがその写真の場所だったんだ!」と参加者の声が上がる瞬間も。
地元の方々との立ち話や、昔話が聞けるのもこのツアーならではです。
ただの知識では終わらない。記憶が交差する体験
ツアーには、観光客だけでなく、地元の人が参加することも少なくありません。
「地元の方が“知らなかった”と驚いてくれるのが、一番うれしいですね。自分の住む場所に、こんな歴史があったんだと再発見してもらえるのがやりがいです」
記録写真と現在の景色を重ねながらの説明、文献と現地をリンクさせるアプローチは、円城寺さんならではの工夫です。
「どんな資料も、現場で見て、空気を感じることで、初めて意味を持つんです」
参加者には「感性を大切にして参加してほしい」とアドバイスを送ります。
調べれば調べるほど、深みにはまる。それがアーカイブツアーの魅力です。
オーダーメイド相談で、もっと深く“記録の旅”へ
円城寺さんのツアーは、特定のエリアに関心がある方、建築・温泉文化に興味がある方――どんなリクエストにも可能な限り、記録と知識をもとに応えてくれます。
「ただ歩くだけじゃなく、“その人の視点で歴史を感じる”体験を届けたい」と語る円城寺さん。
記憶をたどり、今と昔をつなぐ旅は、きっと誰にとっても忘れがたい時間になるはずです。
円城寺さんをはじめ、個性的なガイドさんが別府には沢山います!
オーダーメイド旅行相談を通じて、お客様毎の希望に沿ったガイドさんやツアーをご提案可能です。
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これからの挑戦と、広がる歴史の旅
今後は、より体験型のツアーにも挑戦したいと話します。
「地域の方との交流や、文化を体感する仕掛けを取り入れたいと思っています。歴史を学ぶだけでなく、“今”の地域とつながれるツアーを目指していきたいです」
また、現在は佐賀に拠点を移しつつあり、今後は佐賀の歴史や温泉文化を巡るツアーも展開予定。
「別府で学んだ“記録を歩く旅”を、他の地域でも展開していきたい」と意気込みを語ります。